【レビュー】アタリマエを見直すことから始まった「ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルド」はどう進化したのか!

ゼルダの伝説とは

1986年2月21日にファミリーコンピュータ ディスクシステムで発売されたアクション・アドベンチャーゲームです。子供の頃に遊んだ「探検ごっこ」などの妄想がゲームに色濃く反映されている。アクションゲームだが、謎解きにも重視したゲームデザインになっており、様々なアイテムを直感的に使うことが求められ悩まされるが、解いた瞬間の快感などは、他のゲームでは味わえないものがある。処女作からかなりの完成度で、今やっても楽しめるしギミックが多数あります。処女作からトライフォース、バクダン、矢、ガノンと言ったシーリズお馴染みの物も多数登場しています。その高い完成度から国内外問わず高い評価を受けており、1998年11月21日にNINTENDO64で発売された時のオカリナはゲーム史に残る程の名作として今もなお愛されてる。時のオカリナはゲーム業界、特に3Dゲーム業界に与えた影響は計り知れなく、海外ではゲームの教科書として時のオカリナを例に上げたりすることがあります。そんなゼルダの伝説の最新作が2017年3月3日にWii Uとニンテンドースイッチで発売されました。Wii U版とニンテンドースイッチ版に違いはほぼなく、どちらも同じ作りになっています。

アタリマエを見直す

※画像は2013年1月に配信されたNintendo Directで発表された「ゼルダの伝説」の開発テーマです。

「順番にダンジョンを攻略する」や「シナリオに沿って進める」は「神々のトライフォース2」でダンジョン攻略は若干見直され、「トライフォース3銃士」では「一人で黙々と遊ぶ」と言う課題をクリアーしてきています。今回のブレス・オブ・ザ・ワイルドでは「一人で黙々と遊ぶ」以外は「神々のトライフォース2」を大幅に上回る出来で、まさにアタリマエをイチから見直しています。「一人で黙々と遊ぶ」はジョイコンの片方を友達に渡して、移動とアクションを分けて遊ぶことも可能ですが、ちょっとネタ的な遊び方になってしまうかな。

話は戻って、1998年11月21日にNINTENDO64で発売された時のオカリナをはじめ、トワイライトプリンセス、風のタクト、スカイウォードソードと、どれも高く評価はされていたが、若干マンネリ化してきたのと、他社のグラフィック至上主義に行き詰まりを感じる様になってきてる感がありました。個人的にもスカイウォードソードは、グラフィックが他社製品と比べ荒く、謎解きなどもやらされてる感があり、良く出来てるけどそこまで面白いゲームではないと感じていました。そんな中、開発陣がスローガンとして掲げたのが「アタリマエを見直す」と言うことです。草を切るとルピーやハートが出て来るアタリマエなど、ゼルダと言えばコレと言う固定観念が多数あり、魅力的な物もあったが逆にそれが足かせとなり、新しいことがやりづらかった部分もあったかと思います。そこをぶち壊して、新境地にたどり着いたのがブレス・オブ・ザ・ワイルドです。コアとなる部分だけは最低限残し、他はすべて新しい試みがふんだんに取り込まれています。

オープンエアとなったゲームデザイン

やっぱり今作のは最大の特徴はオープンエアなるオープンワールドではないでしょうか。この挑戦はかなり難題だったかと思われます。ゼルダと言えば、ダンジョンを1つ1つクリアーして、キーとなるアイテムを手に入れ、より難易度の高いダンジョンに挑んでいく図式がありました。それをぶち壊して、どこからでも挑戦できるだけではなく、なんならいきなりラスボスとも戦える、まさにオープンワールドの鏡みたいな仕様になっています。発売前のインタビューでいきなりラスボスにも行けると聞いた時は、正直困惑しました。何故なら、ゼルダのコアとなる部分は謎解きにあるからです。最後のダンジョンにいきなり行けると言うことは、ギミックはどうなるの?パンイチでラスボスまでたどり着けるダンジョンに面白さはあるの?など非常に心配になりましたが、そんな心配も払拭するようなゲームデザインになっており、個人的には非常に満足できるオープンワールドになっています。ラスボスは予想通りギミックはほぼ無く、飛んで壁をよじ登って着けちゃいますが・・・

移動と壁登りについて

※赤◯の所にリンクがいます。

移動については、まったく苦にならないと言っていいほど、行きたい場所にすぐ行けます。マップに散らばる120個の祠は、すでに行ったことがあるのなら、いつでもワープできるし、高さのあるタワーが各地域に1つはあるので、そこから行きたい場所に滑空して移動できるので移動に苦しみを感じことはなかったです。逆に高い所からの滑空などは非常に面白くむしろ移動が楽しい使用になっています。インタビューで、オープンワールドのことをオープンエアと、意味不明なことを言っていたので大丈夫かこいつはと思いましたが、プレイしてみれば納得の、これはオープンワールドではなくオープンエアだなと感じました。風を感じるオープンワールドって今までになかったと思います。

さらに苦にならない点として、壁登りがあります。3Dゲームをやれば必ず思う現象として、なんでこんな段差が登れないんだと思ったことがある人はおそらく全員かと思いますが、それがまったくないです。ないどころか、90度以上ある角度の崖すらもスタミナがある限りよじ登っていきます。これによりちょっとした崖も道にそって進む必要がなく、そのまま登ってショートカットも出来ます。また、高い山に登ってそこから滑空もできるので、移動に苦痛を感じたプレイヤーはほぼいないんじゃないかと思います。こんだけ登って何しても問題ないゲームは他にないので、これを体験したあとに他のオープンワールドのゲームをやると、イライラ感がハンパないです。

オープンワールドの密度

オープンワールドの密度はと言うと、マップには1000以上ものイベントが隠されているので、どの位置からでも徒歩1分以内に何かしらのイベントが設置されている場所にたどり着けるぐらい濃い密度ですので、密度に関しては心配することはないかと思います。イベントの設置されている場所も、怪しいところを探せば、ほぼ100%と言えるぐらい何かしらのイベントがあり、報酬が得られるので、道草も苦にならない気配りがあります。行って損した的な、モチベーション低下を招きやすい部分を上手く回避してるのはさすがだと思います。

武器が壊れることによる面白さ

今作では、剣と弓、盾に耐久値が存在し、何回か使うと壊れる仕様になっています。想像以上に壊れやすく、ザコ敵を数体倒すだけでも壊れていきます。しかも剣と弓、盾は基本的に売っておらず、敵から奪うか、祠や宝箱から探して見つける必要があります。マスターソードでさえも壊れます(使えなくなる)。なかなかアグレッシブな仕様ですが、これにより様々な武器が逆に生きてくるし、駆け引きなど生まれて面白く作用しています。武器が壊れなかったら、強い武器を見つけたらずっとその武器オンリーとなってしまい戦いが単調になってしまいますが、武器が壊れることにより、この敵には弱い武器、この敵に強い武器を使おう!ボス戦の為にこの武器を温存しとこうなどの戦略が生まれます。これにより強い武器を手に入れたら終わりではなく、常に敵とのバトルに駆け引きが生まれてきます。マスターソードを手にしてても、落ちてる木の枝で戦ったりすることもあるくらいです。一見、こんな仕様はウザいかと思われますが、それこそが今回のゼルダを面白くしている大きな要因となっています。

不快感のないストレスが面白い

先程の剣などが壊れるのもそうですが、序盤から終盤、クリアー後も、とにかく何かしら、自分が望むものが不足しております。まず序盤は、ハート、武器がないなどに悩みますが、武器が揃ってくると今度は武器を入れるポーチが足りなくなる、移動範囲が広がってくると、スタミナも欲しくなるが、スタミナを取るとハートをガマンしなくてはならなくなる。その後には矢を使いたいのだが矢が意外と貴重で不足しがちになり、何か買うのにもルピーが常に足りないことに気づき、防具強化で素材不足に悩む。この辺の、欲しい物に対する欲求の小出し感が秀悦で、プレイヤーにストレスを与えるが、素材集めやルピー集めなどの作業ゲーにならない様に出来ており、上手くプレイヤーのモチベーションを高い位置でキープさせています。ハートの回復に関しても草を狩ってハートを探すのではなく、宿で休むはもちろんですが、倒した動物の肉などを料理して食べることにより回復します。このシステムは特にアクションが苦手な人への救済処置となっており、アクションが苦手な人は大量の食べ物を持参して敵に挑めば、ゴリ押しでも倒せるかと思います。

話は変わって経済の話になりますが、基本的にRPGはインフレとの戦いです。ドラクエで例えるとプレイヤーは敵を倒せばどんどんお金が溜まっていきます。倒しても倒しても無限に現れてお金を落としていくので、ドラクエの宿屋では序盤の街では5ゴールドなどが、終盤の宿屋では500ゴールドになっていたりと、その差100倍などのインフレがスゴイことになっていき、世界が破綻(飽きる)します。そうしたインフレを極力なくすように、武器は壊れるし、ルピーは敵が落とさないなど、破綻しないように作られています。破綻しないように作ると、MMORPGみたいにマゾい作業ゲーにすれば破綻を遅らせることができますが、ユーザーへのストレス、作業感がハンパないクソゲーとなってしまうところを、ブレス・オブザ・ワイルドではストレスを感じさせずに破綻もさせない作りになっているのは神懸かってるとしか言いようがないです。

初心者から玄人までも満足させるダンジョン

今回のダンジョンは試練の祠が120個と神獣の4つのダンジョンとハイラル城?の125個になります。試練の祠はどれも10分以内にクリアー出来るコンパクトなもので、神獣のダンジョンも歴代のゼルダと比べればミドルクラスのダンジョンで30分~1時間以内にはクリアーできるダンジョンになっています。必須でクリアーするダンジョンはありません。試練の祠の難易度は、祠ごとに1つのテーマがあり、バクダンがテーマならバクダンを使ったギミックが用意されており、そのギミックを2、3個クリアーすれば完了と非常にシンプルです。もしその謎解きが分からなかったら、従来のゼルダならクリアーするまで悩まなければ次に進めませんでしたが、ブレス・オブ・ザ・ワイルドでは、諦めて次に進んで問題ありません。この辺も上で書いたが、ユーザーにストレスを溜めさせない仕様になっています。実際にラスボスを倒してクリアーするまでなら、試練の祠なら半分もクリアーすれば問題ありません。ギミックが得意、戦闘が得意などプレイヤーによって様々なタイプがいるかと思いますが、苦手なものはスルーしても問題なく最後まで進められる配慮には脱帽です。試練それぞに特有のギミックがあるので、苦痛になることもなく、クリアー後には報酬と達成感があるので面白いかと思います。

クリアー後の世界

自分がクリアーした時は、コログのミ、試練の祠などの消化率は4分の1程度で、まだまだ世界の半分のイベントを消化しきれてない程でやることが盛り沢山です。クリアー後に一番足りないと感じるのはルピーです。家を建てたり、妖精にお布施したり、図鑑を埋めるため、防具を購入するためなど、とにかくルピーが枯渇します。ここから先は、フィールドに散らばる100体のフィールドボスを倒しつつ、素材を集め、素材を売り、ルピーを消費していく作業が待っています。世界に散らばるフィールドボスを種族ごとにすべて倒すと証が貰えるので、それをモチベーションにひたすら狩る感じでしょうか。まずは砂漠のモルドラジーク4体で証を手に入れるのがモチベーションとしては良いのですが、何故か私の場合4体全て倒したにも関わらず貰えなかったりと、若干萎えざるえないのはここだけの話です。

不満点・改善点

これだけよく出来たゲームですが、不満点・改善点があるのも事実です。今回はそんな中で5点気になった点をピックアップします。

ダンジョンが難しくない

コアなゲーマ-が望んでるような難しいギミックはなく、単純で短いものがほとんどです。神獣のダンジョンも大枠のギミックがどの神獣も同じなのも、ちょっとどうなのかと感じました。基本的に複合的なギミックがなく、分からなくて進めないことがほぼ無かったのがちょっと物足りなさを感じました。ここに関しては、大多数のゲーマーが途中で投げ出さないような配慮なので致し方ないのかなと思いますが、試練の祠は半分スルーしてもゲームクリアには、ほぼ支障がないので幾つかは激むず難易度の試練の祠があっても良かったのではないのかと思った。特に探すのが難しい試練の祠などは上級者向きの手応えのある試練を用意しても良かったのではないだとうか。試練の祠の難易度が全部フラットで、後半は退屈でした。

料理がめんどくさい

一度、作成したレシピは記憶させて、ボタン1つで同じ料理ができる仕様が良かったかなと、料理を大量に作る時に同じ作業を繰り返さなければ行けなかったのが以外と苦痛に感じた。あと料理に関する無駄なこだわりがすごく非常に多くのレシピがある。こういうところにワクワクを感じない人なので、料理の種類などは半分以下でも良かったと感じた。

ザコ敵が同じ

ほぼボコブリンと、リザルフォスしかいなく、暑い、熱い、寒い所など場所が変わっても、同じ敵だったり、色違いなだけだったりと、バリエーションがあまりにも少ないと感じました。もう少し地域にあった敵を出せなかったのか悔やまれます。あんだけ料理の種類があってこだわってるのに、ザコ敵は基本2種類だけってどうなんだと感じました。もっといるよと反論してくる人もいるかと思いますが、私がプレイした感じでは2種類しかいませんでした。印象がすべてだと思います。

倒したフィールドボスの表記

クリアー後のやり込み要素として入ってる各フィールドボスの証ですが、沢山ちらばってるのに、倒したフィールドボスの場所が分からない。自分でマップに印を付けろと言うことなのかもしれませんが、この辺は自動で付けて欲しかったかなと感じました。ミニチャレンジにして残り何体とか表記があれば良かった。ミニチャレンジとして追加して欲しいです。

図鑑について

数百ある図鑑をコンプするには、すべて写真を撮らないといけないのですが、これがめんどいうえに、どれを撮ったかなんて数百種類をいちいち覚えてないので、同じものを何度も撮ったりと非常に苦痛だった。武器なんかは一度捨てて、撮って拾うなど、無意味で無駄な作業にイライラがMAXです。カメラで撮ると言う機能に遊びを入れたかったのは分かるが、動物や敵は撮るにしても、アイテム類は所持するだけで、図鑑に登録でよかった気がする。

総評

ゲームとしてのデキは今まで発売した中でナンバー1を取るくらいの出来であるのはたしかで、ゲーマーなら1度はプレイすべきゲームです。ゼルダを万人向けにし、敷居を下げつつも、ゼルダのファンを納得させるゲームデザイン。新境地のオープンワールドも、悪言い方ですが、他の様々なオープンワールドのゲームの良いところだけを上手くパクって、ゼルダの世界観を壊すことなく上手く取り入れ、完璧な世界の構築に成功しています。基本的にどのゲームもゼルダの真似は出来ず、類似のゲームは意外と皆無で唯一無二のゲームだったりします。そんなゼルダが自分の殻を破り捨て新たな新境地にたどり着いたブレス・オブ・ザ・ワイルドは、時のオカリナの偉業を超えた新生ゼルダです。すべてのゲーマーにオススメできる1本です。開発陣には拍手を贈りたいです。

 

 

 

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