日本のeスポーツ界が抱える高額賞金が出せない問題について

投稿日:2018年8月17日 更新日:

qimono / Pixabay

日本国内でのゲーム大会を開催する際に問題となっている賞金付きの大会です。海外では数億円の賞金がある大会などが行われるeスポーツですが、日本では刑法、風営法、景表法 の3つが足かせとなっており、数万円の賞金が限度になっているなどの問題あります。その問題になっている刑法、風営法、景表法 の3つについて、分かりやすく解説していきたいと思います。

日本国内における賞金のある大会ができないのか、問題点を整理して今後の対応について考察していきたいです。

刑法(賭博及び富くじに関する罪)

刑法の賭博罪が成立する条件は、当事者双方がリスクを負担することが条件となります。つまり、当事者双方が損をするリスクがある行為は賭博となります。一部、保険契約、競馬、宝くじなどは、独自の法律があり合法となっている。パーティーなどで無料で行われるビンゴゲームのような、当事者の一方が景品を用意するだけで、片方は負けても損をしない場合には賭博には当たらない

DOTAの様な大会関連のアイテムが購入されるたびに、その購入価格の25%が賞金になる大会などは難しいそうだが、無料参加で賞品を出すなら問題ないのなら、高額賞金の大会できるじゃん!と思いきや、次に風営法と言う新たな問題が出てきます。

風営法(風俗営業等 の 規則 および 業務 の 適正化等 に 関 する 法律)

刑法の問題はクリアーできても、次に風営法の問題が出てきます。刑法では賭博とならない、ユーザーが無料参加での大会参加で、主催者が賞品授与をする場合ですが、これが風営法に引っかかります。風営法では主催者が直接参加者に賞品を渡すことがNGとなっております。しかし主催者ではなく主催者以外の事業者(スポンサーなど)が賞品を渡すことはOKです。

主催者以外の事業者が賞品を渡すのであれば、参加費を徴収して、それを運営人して使うのであれば参加費を徴収することも出来ます。では、何で高額賞金の大会は日本で出来ないんだよってなると思いますが、そこには景品表示法(景表法)と言う新たなる問題が立ちふさがります。

景品表示法(景表法) (不当景品類および不当表示防止法)

景品表示法は「うそや大げさな表示など、 消費者をだますような表示を禁止してる」テレビなので「優良誤認」など言われる誇大広告が一般的です。例としては、国産牛ではないのに、あたかも国産牛であるかのような表示なのです。「まぎらわしい表示は、正しい判断ができなくなる」ので、この様な法が存在します。

景品表示法では、過大な景品類の提供を禁止しています。

景品表示法では誇大広告の他に、過大な景品類(賞金など)の提供を禁止しています。

一般に、景品とは、粗品、おまけ、賞品等を指すと考えられますが、景品表示法上の「景品類」とは、

  1. 顧客を誘引するための手段として、
  2. 事業者が自己の供給する商品・サービスの取引に付随して提供する
  3. 物品、金銭その他の経済上の利益

であり、景品類に該当する場合は、景品表示法に基づく景品規制が適用されます。

ゲームにプラスして大会で賞品を出すとなると「ユーザーが正しい判断ができなくなる」ので、景表法に引っかかってくることになります。そのゲームを購入すれば、大会で賞品がもらえるとなると、そのゲームが本来の価格の価値があるものなのか「ユーザーが正しい判断ができなくなる」と言う解釈です。過度なオマケ(賞品)がユーザーの判断を鈍らせてる。そうなると一般懸賞の範囲内でおこなうことになります。

一般懸賞

一般懸賞では、商品・サービスの利用者に対し、くじ等の偶然性、特定行為の優劣等によって景品類を提供する場合の限度額が設定されています。

懸賞による取引価額 一般懸賞における景品類の限度額
最高額 総額
5,000円未満 取引価額の20倍 懸賞に係る 売上予定総額の 2%
5,000円以上 10万円

5000円以上の商品の場合は、賞金として出せる最高額が10万円となっています。これがよく言われている賞金が10万円までしか出せない問題です。

どうすれば高額賞金が出せるのか

この様に、刑法、風営法を上手く回避しても、景品表示法が突破できずにずっと燻っていましたが、eスポーツに関わる団体「JeSU」がプロライセンスの制度を使って、下記の”仕事の報酬”として、賞金を渡すことにより、景表法をうまく回避して、ようやくこの件については活路が見出されました。仕事の報酬とは、実際には賞金ではなく、労働契約としてもらえる報酬になります。労働契約なので働いてる会社が副業を認めていない場合などに問題が発生する場合があります。厳密には賞金ではないので、賞金と謳うのも問題だったりします。税金面でも賞金と労働報酬では違ってくるのも注意が必要です。

5 「物品、金銭その他の経済上の利益」について

(3)
取引の相手方に提供する経済上の利益であっても、仕事の
報酬等と認められる金品の
提供は、景品類の提供に当たらない(例
企業がその商品の購入者の中から応募したモニ
ターに対して支払うその仕事に相応する報酬)。

≫ 景品類等の指定の告示の運用基準について

プロライセンスは本当に必要

「JeSU」のプロライセンスがあれば”仕事の報酬”として、賞金を渡すことができることが強く強調されているが、実際は”仕事の報酬”にプロライセンスは必要なく、プロだろうがアマだろうが、それが”仕事の報酬”であれば問題ないのです。試合をして、それを見たいお客がいれば立派な”仕事の報酬”になるのです。

費者庁表示対策課長によれば「大会出場者が優れた技術によって観客を魅了する仕事をし、その報酬として賞金を得る場合、その賞金はプロ・アマを問わず、景表法で言う"景品類"には該当しない。」という事であります。

≫ JeSUのオワコン化が止まらない:もはやファミ通すら擁護できず

この様に、実はプロライセンスがあろうがなかろうが、高額賞金の大会は開催できるのです。なので、この「JeSU」はプロライセンスを発行して手数料を巻き上げて、儲けてやろう的な胡散臭い団体にも見えてしまっている部分もあります。

あとがき

この様に、色々問題はありますが、何とか高額賞金の大会を行える感じにはなってきています。そもそもスポンサーが付きにくいので高額な賞金の大会をやりたくても、スポンサーがいないので、高額賞金を出せないのも問題だったりします。

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