東京地方裁判所で裁判傍聴をしてきたので、裁判を傍聴するまでの手順を書いてみる。裁判傍聴は基本誰でも見ることが出来、煩わしい手続きなどもなく、無料で見ることが出来ます。今回書くのは東京地方裁判の歩き方的な感じなので、他の裁判所とは若干違う可能性があります。
準備するものとか!
基本的に裁判は平日のみしかやっておりませんので、平日に行く必要があります。年末年始もお休みです。また4月の初めは裁判官などの移動などがあるらしく行なわれてる裁判が少ないそうです。また8月も今度は弁護士が夏休みだったりすので行なわれる裁判が少ないそうです。東京地裁なら基本的に平日ならどの日でも裁判が行なわれております。地方ではない場合もあるみたいです。
時間については10時〜12時、13時〜17時まで行なわれております。10時から開始なだけであって、ビル自体は10時前から入れます。
服装についてはスーツなどではなく普段着ている服装で問題ありませんが、メッセージ性の強いT-シャツなどはアウトになるかもしれません。
裁判中はメモを取ることが出来るので、メモ帳やノートとペンを持参することをおすすめします。あとで説明しますが開廷表をみてスケジュールを組む時に紙とペンがあれば便利です。
- 裁判は平日のみ
- 8月などは弁護士が夏休みで裁判数が少ない
- 裁判傍聴は普段着で問題なし
裁判所のあるビルに入るまで!
まずは東京地方裁判所がある霞ヶ関駅に到着後、A1出口を目指します。A1出口が裁判所の目の前に出れる出口で迷わず行けると思います。A1出口を出たら右手にでっかいビルがあります。それがが東京地方裁判所です。出口を出て真っ直ぐ30mほど歩いたところに門がありますので、堂々と入って行きましょう!入ったら今度はビル入口で付近で一般の方の入口と、社員用の入口あるので、一般の入口から入りましょう。看板が立っているので分かるはずです。入ると同時に空港などで行なわれる金属探知機のゲートをくぐるのと手荷物のX線検査が行なわれます。ここで問題なければ無事、建物内に入れます。
- 見た目は関係者しか入れそうにないビルですが堂々と入りましょう
開廷表を見て、見たい裁判を選ぼう!
建物内に入ったら目の前に受付があります。受付の横に本日おこなわれる開廷表と言う物がファイリングされているので、中身を見ましょう。受付の人に見る許諾などを取る必要はありませんので、勝手に見てOKです。ただし持ちだしたりするのは禁止なのでその場で見ることになります。開廷表には地裁と高裁の2つがありますが、地裁のファイルから傍聴する裁判を選んだ方がいいです。(東京では地裁と高裁が同じ建物内にあるので、簡単に両方見れますが地域によっては片方しかない場合などもあります)
何故かというと、基本的に高裁は地裁で行なわれた裁判の判決に不服として控訴した案件になり、地裁でどうのようなやり取りが行なわれていたのかを知っていないと分かりにくい部分があるためです。
また民事裁判と刑事裁判の2つがあり、どちらを選べ良いかと言うと、民事は基本的に当人どうしての争いで、お金返せ、慰謝料、損害賠償などがあります。警察は介入して来ることはなく、裁判内容も書面での陳述が多く、書面だけのやり取りが多く、さっぱり分からないケースもあります。
刑事裁判は、国が悪いことをしたとされる人を裁く裁判で国の代表となる検察官と被告人の争いになります。
東京地裁では、10時から12時、13時から17時まで行なわれているので、9時30分ぐらいに行って受付にある開廷表を見て本日傍聴する裁判の予定を組むのがいいと思います。ビル自体は9時30分には既に開いており自由に入ることができます。
- 裁判は地裁と高裁があるが地裁を選びましょう
- 民事ではなく刑事裁判を選びましょう
どの裁判を見ればいいのか?
開廷表には沢山の裁判が載っており、どの裁判を見ればいいのかさっぱり分かりません。そこでポイントとなるのが、開廷表に書かれている罪名、被告名、予定の部分です。
まず予定の部分に注目してください。そこには新件、審理、判決、裁判員裁判などの表記が書かれていると思います。新件と言うのは今回初めて行なわれる裁判のことで、審理は裁判途中のものを示します。判決は判決を言い渡すだけで、裁判員裁判は裁判員裁判で審議する物になります。初心者にオススメなのは新件で裁判員裁判です。何故かというと新件の場合はまったく新しく行なわれる裁判で、起訴状などの読み上げがあり事件の全容を掴みやすく、さらに裁判員裁判だと裁判員が一般人の為、検察側も弁護側も専門用語は避けなるべく分かりやすく説明する必要があるからです。
次に罪名ですが、覚せい剤取締法、私電磁的記録不正、業務上過失致死、強盗殺人、強姦致傷、詐欺、所得税法違反などなど様々な罪名が書かれていますが、難しそうな私電磁的記録不正、所得税法違反などは排除していき、暴行罪、詐欺、脅迫など比較的軽めの罪を選ぶのをおすすめします。また、わいせつ系は傍聴券を必要とすることが多く人気ですが、エグい部分が多いです。殺人も精神的なダメージが大きかったりするので、とりあえず除外しておきましょう。あと重たいものは1年とか長期に渡り審理が行なわたりすので長くなりオススメ出来ません。
尚、罪名だけ表記されているので、実際にどんな内容なのかは聞いてみないことには分かりません。暴行罪にしても頭にきて水を掛けたから、着衣を引っ張る、自動車よる自転車への幅寄せなど多岐に渡ります。
最後に被告名ですが、実は傍聴する裁判の被告が男性なのか、女性なのかはここに記載されている名前で判断するしかありません。裁判を傍聴するにあたって、女性の方が男性より感情表現が豊かな場合が多いので、女性の裁判を選ぶのもの重要です。但し、ひろみって名前で女だと思ったら男だったって場合もあります。
また被告人が外国人で日本語分からないと通訳が入るので、場がダレる傾向にもあるようです。
ここで見たい裁判が何時〜何時まで行なわれるなどの、スケジュールをメモしときましょう。受付で紙とペンを使って開廷表に書いてあることを書き写しても問題ありません。
- 新件で裁判員裁判がオススメ!
- 暴行罪、詐欺、脅迫など比較的軽めの罪の裁判を見よう
- 外国人の裁判は通訳がはいるなどテンポが悪いのでオススメしません
法廷に入ろう!
傍聴する裁判が決まったら、そこに三桁の部屋番号が書かれていると思うので、そこの部屋番号があるところまで行きます。受付の横に何階に何番の部屋があるのか表記されているのでそれを確認しましょう。例えば720なら7階にありますので、7階に行った後に、エレベーター近くに地図があるので、それを見て部屋の場所を探しましょう。エレベーターですが8階以降はこのエレベーター、7階まではこのエレベーターと行ける階が限られてたりするので、乗るエレベーターが行きたい階に止まるかちゃんとチェックしましょう!
いよいよ部屋の前まで辿り着きました。そしたら“傍聴人入口”と書いてあるドアから入りましょう。この時、すでに始まっていても普通に入って問題ありませんし、裁判途中でも退席するなど自由ですが、ドアをノックしたり、人と喋ったりするのは厳禁ですので、黙って入って席について、つまらなければ黙って退席しましょう。あと満席の場合は立ち見は出来ないので諦めましょう。傍聴人入口のドアには覗ける小窓があるので、そこから中を確認することも出来ます。携帯電話など音のなるものはあらかじめ電源を切っておきましょう。
また裁判が始まる前に入る事もできます。その時は始まるときに裁判長が入ってきた時に起立、礼をする必要があります。終わる時も起立、礼があります。
- 傍聴人入口から入ろう
- ノックはしなくて大丈夫
- 携帯電話などの電源は切っておきましょう
メモを取って裁判傍聴しよう!
裁判中は録音や撮影はNGですが、ペンと紙でメモを取ることが出来ますので、ノートなどを持ち込み審理されている内容をメモしても問題ありません。複雑な事件になったりすると頭なの中だけでは理解出来ない部分や覚えきれない部分が出てきます。検察官、弁護人、被告人、裁判長が言ってるキーとなりそうなワードをメモして、時系列に並べて書いたりすると、その事件の全容が掴みやすく、裁判をより深く傍聴することが出来ます。
昼食を楽しむ!
12時〜13時は休憩です。なんと東京地裁では地下に食堂やコンビニがあるので、そこで社員さんに混じって食事をすることが出来ます。価格も都心にしてはリーズナブルな方で500〜600円ぐらいでも食べられます。実は朝もやっているので9時ぐらいに来て朝食を食べた後に傍聴するのもいいかもしれません。
最後に
とりあえず開廷表だけを頼りに傍聴しにきているので、内容がつまらない可能性があります。てか、内容がつまらない可能性の方が高いのは肝に銘じておきましょう。いつでも退席して問題ないので、つまらなかったら別の案件に移るのも手です。
それでも映画やドラマでは味わえないリアルを感じると思います。どうしようもないクズもいれば、この被告人には同情するなど、様々な感情が出てきて色々考えさせてくれるのも裁判傍聴の醍醐味です。
いつ、どこで、どの様に事件に巻き込まれるか分かりませんし、裁判ではどの様な審理が進められるのか、そういった事を一度知っておくと、もし事件に巻き込まれた時にどの様にすればいいのか分かるようになりますし、本番でのミスも少なくなると思います。法廷という異質な空間、見ず知らずの傍聴人、検察官、裁判長などの前で、自分の言い分をハッキリ言える一般人なんて、そうそういないと思います。
以上、裁判傍聴は誰でも無料で傍聴することが出来ますので、一度は足を運ぶことをオススメします。